十本の指はニーベルングの指輪と同等で、




組み敷いた細く、白い身体。熱のある息。水分を帯びた瞳。指は、絡めて、繋いだまま。ニーベルングの指輪。それはファフナーに取り付けられた、十の指輪。ファフナーと搭乗者を繋ぎ、ある者には破壊衝動を、ある者には恐怖を、ある者には快楽を与える。総士の指は、ニーベルングの指輪によく似ている。細く、骨ばった指に己の指を絡めて、ぐ、と力を込めれば、抑えることの出来ない破壊衝動や、性欲が湧き上がってくる。もっと強く、深く、激しく、と。総士もそれを理解している節があり、彼から指を絡めて力を込めてくる時もある。例えば、仲間が死んだ後など。行為の後、決まって彼は後悔を顔に浮かべるのだ。それでも、------行為はやめることは出来なかった。

(こんな風に、俺は総士を傷つけた!!!こうやって!!!!!)


それが、たった一つの存在を確かめる方法であるかのように。





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